クロム鞣しの革の良さ。

こんにちは。
スタッフのMです。
 
突然ですが、”ウェットブルー”という言葉を聞いたことはありますか?
 
初めて聞いた人は、「濡れた青色ってなんだ?」
となるかもしれません。
 
元々はクロム鞣し革の鞣し工程の途中で、染色したりする仕上げ前の状態のものを指した言葉です。
クロム鞣剤に含まれるクロムが原因で、白に近い淡い青色に革が染まります。
もちろん、クロム鞣剤に漬け込んだ後なので濡れている状態です。
その見た目のまま、”ウェットブルー”と言われています。
 
現在では、クロム鞣し革の総称のようにも使われていることも目にしたりします。
クロム鞣しの工程では、全ての革が通る状態なので間違いではないのですが、仕上げまで終わり、赤色、黄色や茶色など様々な色に染められたクロム鞣し革をウェットブルーと言われても戸惑うかもしれませんよね。
 
ウェットブルーの状態になって初めて傷があるとか色々なことが分かるそうです。
生地の傷、厚みなどを確認してから選別し、革の再鞣しを行いながら、染色や加脂などの仕上げに向けた作業が行われていきます。
地色が白に近いため、染色がしやすく色や柄を表現したいように加工しやすい特徴があります。
また、鞣しの時間もタンニン鞣しに比べて短く、費用も抑えられるため、様々な素材が作られています。
製作する側にとっては、様々な素材があることは嬉しい限りです。
 
これだけ広く使われているクロム鞣し革ですが、実は、19世紀中頃に開発された比較的、新しい技術です。
クロム鞣しの工程で、クロムはコラーゲン繊維の組織が潰れないように支える形で結合し、ふんわりと軽く、伸縮性に優れた革に仕上がります。
そのため、加工性がよく、衣料品やバッグ類との相性が良いことも特徴です。
柔らかさや手触りの良さを活かしたいときはクロム鞣し革が好まれると思います。
同じ厚みで比べれば、タンニン鞣し革よりも引っ張りや引き裂き、屈曲に対して耐久性があり、耐熱性もあります。
 
クロム鞣しの特徴をまとめると
・しなやかで軽く伸縮性がある
・弾性がある
・耐熱性がある
・発色がよい
・水を弾く
などなど
 
タンニン鞣しの歴史と比べるとかなりの差がありますが、現在の科学の発展とタンナーさんの技術を融合させ、ドラム鞣しを採用することで効率的に大量の革を生産することができるようになっています。
顔料仕上げなど革の不均一性を減らす加工と組み合わせることで安定した大量生産が可能になっています。
だからと言って、クロム鞣し革は決して、安物だと思ったり、タンニン鞣し革より下だと思ったりする必要はないと思います。
 
artigianoでは、クロム鞣し革に関しては、姫路の高木地区にあるホースレザーを得意とするタンナー、新田製革所さんにお世話になっています。
現在の馬革原皮の国内生産量は非常に少なく、海外から馬革原皮の輸入量がダントツに多くなっています。
国内タンナーが使用する海外からの馬皮原皮の約4割もの量を仕入れ、鞣されている大規模なタンナーさんです。
鞣し工程は、工場内での一貫生産で行われていて、長年にわたり培った技術が非常に多く、引き裂き強度においては牛革に敵わない馬革ですが、柔らかさと強度を兼ね備えた素晴らしいクロム鞣し革を製造されています。
 
実は、新田製革所さんのオイルポニーはあんなブランドやこんなブランド(国内バック・ジャケットブランドなど)など、多くのところで使われています。
また、高級ウェアからバッグや財布、義手義足、靴のライニングまで多種多様な用途に使用されています。
日本で唯一の製革業者による全国団体である一般社団法人日本タンナーズ協会の「JAPAN LEATHER PRIDE」認証を取得しており、その高い技術力には定評があります。
 
こんな新田製革所のクロム鞣し革の中でも、オイルポニーは抜群の軽さと柔らかさで、他に変わるものが無いと感じています。
artigianoの技術によりオイルポニーを始めとした商品にあった馬革を用いて作り上げたカバンやポーチを是非、手に取って、触れて、見て頂きたいと思っています。
暖かくなるこの季節に百貨店での催事に出展します。
日本のタンナーさんによる技術とartigianoのレザーファクトリーとしての技術が結集した商品が販売されます。
お近くの方は、是非、足を運んでください。
4月27日~5月1日: 浜松遠鉄百貨店  日本革市  8F催事場
6月7日~6月12日: 鹿児島山形屋  日本革市 (鹿児島初出展です!)