「革職人:タンナーという仕事」 - artigiano

「革職人:タンナーという仕事」

2024年10月28日

artigianoではタンナー(革製造工場)へ直接依頼をしてオリジナルの革を作る事を
10数年前から行っており、artigianoで使用する革の9割は国内レザーを使っています。

なぜ?国内レザーなのか? あくまで私の個人的な思いなのですが
輸入品の有名レザーには『こだわり』があり確かに、良い革も沢山ありますが
高価になりすぎている物もあると感じています。
革で作られたアイテムを、手に取りやすい価格で作りたいと言う思いから。

自分が良いと思う革を作れば良いんじゃないかと思い、革の産地で一番有名な
姫路へ飛び込む事にしたのが今から10数年前。

製品メーカーが、まだまだタンナーで直接革を作ると言う商流が無かったころなので
初めの事は革も知らん奴が姫路に行って何が出来るねんとか、タンナーからも少し壁がある感じで
見られていたと思います。
今ではそこそこタンナーや薬品屋さんと革について話出来るようになってきました。

名刺入れを見てみると、交換した名刺は100枚近くになっています。
なぜ?そんなに色々なタンナーさんに行ったかと言うと、行って分かった事なんですが
タンナーさんには得意不得意があるという事なんです。

厚い革が得意・薄い革が得意・柔らかい革が得意・固い革が得意などです。

それには、原皮の種類や産地、得意な鞣し、得意な仕上げ方法・工場内の設備や協力外注さんなど
が大きく関連していて、意外となんでもできる事はなく
得意な革の方向性は狭いんだなぁと感じました。
そういう角度から、もう一度基本的なタンナーさんの仕事について
整理もかねて少し書いてみたいと思います。


タンナーという仕事。


タンナー (tanner)」とは、主に動物の皮を加工して革にする職人や業者を指します。タンナーは、皮を腐敗しない状態に加工し、柔軟性や耐久性を持たせるためにタンニング「鞣し(なめし)」という工程を行います。タンニング(鞣し)は、皮を革製品に仕上げるために欠かせない工程であり、食肉の文化から出る本来なら廃棄されてしまう原皮ですが、革と言う素材に変化させるとこにより、歴史的にも人類の生活に深く関わってきました。

タンナーとは

  • 定義:タンナーは動物の皮を加工して革にする職人。皮から革へ。分かりにくいので分かりやすく書くと、皮膚の皮(かわ)から素材としての革(革)へ変化させることを意味しています。
  • 役割:タンナーの主な仕事は、動物の皮を「鞣し(なめし)」加工して、腐らないようにし、柔らかさや耐久性を持たせて素材としての革へ変化させる事になります。

鞣し(なめし)の工程

鞣しの工程は、動物の皮を革に変えるための一連の作業を指します。これは皮を腐りにくくするため、化学薬品や植物のタンニンを使って繊維を安定させます。
もっと深く説明すれば、下で紹介している鞣しは代表的ですが特性を生かしたなめしが
たくさんあります。

  1. 植物タンニン鞣し:自然由来のタンニンを使用し、時間がかかるが、環境に優しく伝統的な方法。
  2. コンビ鞣し:タンニン鞣しとクロム鞣しのハイブリット。
  3. クロム鞣し:クロム化合物を使用し、短時間で大量生産が可能。多くの現代の革製品はこの方法で作られている。

現代のタンナーとサステナビリティ

  • サステナブルファッション:昨今のSDGsの流れに伴い、タンナー業界でも自然由来の素材や環境に優しいプロセスが重視されてきました。
  • 肉食文化との関わり:もともと肉を食べると言う食文化でた、廃棄されるものを素材へと変化させ
    永く使えるように作られてている物なので、エコと言えるのではないでしょうか。

タンナーの仕事の魅力

  • 職人的な技術:革の質感や風合いを細かく調整する技術が求められ、職人技が光る分野。
  • 革製品の多様性:靴、バッグ、家具、車のシートなど、革製品は多岐にわたります。

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