「エコなのはどっち?合皮と本革の特徴と環境への影響」 - artigiano

「エコなのはどっち?合皮と本革の特徴と環境への影響」

2025年6月9日

昨今、注目を浴びているエコについて少し書いてみたいと思います。
最近では合皮のなかでも、質感や耐久性も上がっており良い素材となってきていますが
基本的なメリット・デメリットはあります。

バッグや靴、財布、ソファなどに使われる「革素材」には、大きく分けて**本革(天然皮革)合皮(合成皮革)**の2種類があります。価格や見た目の違いだけでなく、近年では「環境への影響」という視点からも、どちらを選ぶべきか考える人が増えています。

以前はレザー表記について広い定義で使われてきましたが、現在はJISでレザー表記が決まっています。

本革は自然由来の素材ですが、動物の飼育やなめし加工による環境負荷が問題視されています。一方、合皮は動物を使わないエシカルな素材ですが、プラスチックを使用しているため廃棄時の環境負荷が課題となります。

この記事では、合皮と本革の違いを詳しく解説し、それぞれの環境への影響やエコな選び方について考えていきます。


1. 合皮と本革の基本的な違い

まずは、合皮と本革の定義を確認しましょう。

▶ 合皮(合成皮革)とは?

合皮は、布地の上にポリウレタン(PU)や塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂をコーティングして、本革のような見た目や質感を再現した人工素材です。

メリット

  • 価格が安い(現在では、比較的高価な物もある)
  • 軽量で扱いやすい
  • カラーバリエーションが豊富
  • 水や汚れに強く、お手入れが簡単

デメリット

  • 加水分解を起こす。劣化が早く、寿命がある(表面が剥がれたりひび割れたりベタベタしてくる)
  • プラスチック由来のため、環境負荷が高い
  • 経年変化(エイジング)がない

代表的な種類:

  • PVCレザー(耐久性・耐水性が高いが硬め)
  • PUレザー(柔らかく本革に近いが劣化しやすい)
  • 人工皮革(フェイクレザー)(マイクロファイバーを使用し、より本革に近い質感)

▶ 本革(天然皮革)とは?

本革は、牛・馬・羊・豚などの動物の皮を加工して作られる天然素材です。

メリット

  • 高級感があり、耐久性が高い
  • 使い込むほど味わいが増す(エイジング)
  • 通気性が良く、蒸れにくい

デメリット

  • 価格が高い
  • 水や湿気に弱く、お手入れが必要
  • なめし加工に環境負荷がかかる

代表的な種類:

  • 牛革(カウレザー):丈夫で財布やバッグに多い
  • 馬革(コードバン):希少で高級感があり、靴や財布に人気
  • 羊革(シープスキン):柔らかく軽量で衣類に適している
  • 豚革(ピッグスキン):通気性が良く、比較的安価

2. 合皮と本革の環境への影響

環境問題の観点から、合皮と本革のどちらがよりエコなのかを考えてみましょう。

▶ 本革の環境負荷

本革は天然素材ですが、以下の点で環境負荷が指摘されています。

  1. 畜産業による環境負荷
    • 牛革の多くは食肉産業の副産物ですが、畜産業そのものが温室効果ガス(メタン)を大量に排出します。
    • 牛1頭を育てるのに大量の水や飼料が必要で、森林伐採なども関わっています。
  2. なめし加工による化学物質の使用
    • 皮を腐敗させないために「なめし」加工が必要ですが、伝統的なクロムなめしでは有害な化学物質が使用されることが多いです。
    • 特に発展途上国では、労働者の健康や河川の汚染が問題になっています。

環境に配慮した本革の選び方

  • ベジタブルタンニンなめし(植物由来の成分でなめした革)を選ぶ
  • エコレザー認証(LWG認証など)を取得した製品を選ぶ

▶ 合皮の環境負荷

合皮は動物を使用しないためエシカルな選択肢と考えられますが、石油由来の合成樹脂(プラスチック)を使用しているため、別の環境問題があります。

  1. 製造時のCO2排出量
    • 合皮の原料であるPUやPVCは石油由来であり、製造時に大量のCO2が排出されます。
  2. 劣化しやすく、廃棄されやすい
    • 合皮は寿命が短く、ひび割れや剥がれが起こるため短期間で買い替えが必要になりがちです。
    • 燃やすと有害物質(ダイオキシンなど)が発生する可能性がある。

環境に配慮した合皮の選び方

  • 植物由来の「バイオレザー」(パイナップルやリンゴの皮を利用した新素材)
  • リサイクル素材を使用した合皮(PETボトル由来の合皮など)
  • 長く使える高品質なフェイクレザーを選ぶ

3. 環境に優しい「第3の選択肢」もある!

最近では、合皮と本革の課題を解決する「サステナブルな新素材」も登場しています。

ヴィーガンレザー(植物由来の革)

  • Piñatex(パイナップルレザー):パイナップルの葉の繊維から作られた
  • Apple Leather(アップルレザー):リンゴの皮を再利用した素材
  • Mushroom Leather(マッシュルームレザー):キノコ由来の革

リサイクルレザー

  • 廃棄された革製品を粉砕・再加工して新しい革に再生する

エコ認証を取得したレザー

  • LWG認証(レザーワーキンググループ):環境に配慮した製造工程の革

4. まとめ|環境に優しい選択をしよう!

どちらの素材も環境負荷がゼロではありませんが、選び方次第でよりエコな選択ができます。

🌱 本革を選ぶなら「ベジタブルタンニンなめし」や「LWG認証」のものを選ぶ
🌱 合皮を選ぶなら「バイオレザー」や「リサイクル素材」のものを選ぶ

ファッションやライフスタイルに合った素材を選びつつ、環境にも配慮した選択を心がけていきましょう! 😊

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